コラム
英単語の暗記の仕方(2023/9/22)
前回のコラムで、「家では覚えることをしましょう」と提案したので今回は暗記をどのようにしたらいいのかについて私の考えをご紹介したいと思います。
実際に生徒からは「暗記がなかなかできない」「暗記するいい方法はないですか」という声を多く聞きます。とりわけ「英単語の暗記」について聞かれることが多いので、英単語を例にお話しします。
例えば中2の生徒が中1で習った英単語を完璧にしたい場合。まずは覚えなくてはいけない英単語の拾い出しをします。使うものは中1の英単語がすべて載っているものなら何でもいいですが、誰でも持っている中1の時の英語の教科書が最適です。今の教科書は巻末に単語の一覧を載せています。教科書内の英単語を調べられるための辞書の役割をするページです。そのページを最初から見ていき、わからない単語だけマーカーで塗っていきます。英単語に付随する英熟語やイデオムも知らなかったらマーカーで塗っていきます。すべてのページのチェックが終わったら、全部でいくつあるか数えます。暗記するときに大切なのは、どのくらい覚えればいいのかを知っておくことです。少なければ「これだけでいいんだ」という、ほっとする材料になりますし、多ければ「これは大変だ」という、覚悟する材料になります。
次はチェックした英単語等を書き出していきます。おすすめは単語カードです。表に英語のスペルを書き、裏に日本語の意味を書いていきます。熟語やイデオムもごちゃ混ぜで構いません。全部書き出したら、いよいよ覚えていきます。多ければ50個くらいずつに分けて覚えていきましょう。まずは表の英単語のスペルを見て、裏に書いてある日本語の意味を声に出して言っていきます。言えなかったものだけカードリングから外して別に用意したカードリングに綴じていきます。2回目は言えなかった方のリングだけ言っていきましょう。そこで言えたら言えた方のリングに移動します。これを繰り返していけば、覚えた分だけ覚えなくてはいけないリングのカードが減っていきます。すべて言えるようになったら、今度は裏面の日本語の意味が書いてある方を見て、紙に英単語のスペルを書いていきます。書けなかったものは、やはり取り出して別のリングに移します。2回目以降は表の時と同様にクリアした英単語は覚えたリングに移動していきます。
こういう方法は暗記する計画が立てやすく、覚えた成果がわかりやすいので最後までやりきれる確率が高くなるはずです。
この方法は他教科の暗記にも使えます。例えば理科の化学式の暗記。社会の地図記号の暗記など、いろんな場面で使えるようになれば、暗記を苦にしなくなることも夢ではありません。そして重要なのは、こうやって苦労して暗記した後は、自分でも信じられないくらい勉強ができるようになっていることに驚くはずです。頑張って実践してみてください。
記)田代伸一
何を勉強したらいいのかわからない(2023/9/14)
よく保護者の方から「うちの子は勉強する気はあるんですが、何をやったらいいかわからないって言うんです。」というお声をいただきます。昔からとても多いご相談です。そういう時にさせていただく話をご紹介したいと思います。
勉強には2種類の勉強があります。簡単に言うと「覚えること」と「理解すること」です。自宅学習で主にするべきなのは「覚えること」の方です。それは自分一人でできるから。もっと言うと自分一人でやらないといけないことだからです。基本的な用語や公式、英単語など、まずは勉強を進めるのに必要不可欠なことをしっかり頭にいれることが大切です。生徒には「頭は貸してあげられないからこれだけはしっかり家で覚えるんだよ」というセリフを頻繁に言います。もちろん暗記のコツは教えますが、あくまで覚えるのは自分で、誰かが勝手に頭に入れてくれるものではないと教えます。
一方「理解すること」は誰かに教えてもらわないと解決しない場合も多いです。よく理解していないのに勉強を進めていくと、不正解のスパイラルに陥り、「もう何を勉強していいかわからない」と冒頭のセリフが出てきてしまいます。
このように自宅学習をするにあたっては、「覚えること」と「理解すること」を選別して勉強の計画を立てることが大事です。そして、自力では理解できないものに出会ったときにどうやったら解決できるかを確立しておくことが必要です。
記)田代伸一